本グループは,豊橋技術科学大学プラズマエネルギーシステム研究室(滝川・針谷研)の1グループとして活動してます。
教員

講師 針谷 達(はりがい とおる) 博士(工学)
Lecturer (full time) Toru Harigai Ph.D.
E-mail: harigai.toru.un (at) tut.jp
詳細プロフィールはこちら
配属希望の学生さんへ
本グループの研究対象であるプラズマやカーボン系薄膜について馴染みのある方は少ないかもしれません。その原因は,これらの技術や材料が,みなさんが日常生活を送る上では意識しない部分にあるからでしょう。しかし,実際には,みなさんのスマートフォンに使われている半導体をはじめ,車のヘッドライト,ハードディスク,ペットボトルなど,様々な分野で利用されています。大学での研究活動という特別な時間を使って,これまで見てこなかった(見えなかった)技術を学んでみるのはどうでしょうか。
研究室で学ぶ専門的な知識が,直接に就職先で役に立つ人は少ないでしょう。本グループで言えば,プラズマを取り扱う企業に就職する人は限られると思います。しかし,研究活動を通じて得られる経験は,みなさんのキャリア形成に必ず役に立ちます。研究活動に真摯に取り組めば,課題解決能力はもちろん,文章作成や,コミュニケーション,プレゼンテーションなどの社会人として求められるスキルは確実に向上します。そして何よりも,プラズマを研究対象とすることで,電気・電子工学に関する知識への理解が格段に深まります。プラズマを生成するためには,電気の知識が欠かせません。プラズマの挙動を理解するためには,電子についての知識が必要です。プラズマの研究を通して,電気・電子工学を必要とするどのような業界・企業でも活躍できる人に成長できるでしょう。プラズマに関係する研究室の卒業・修了生の就職先としては,自動車・電機・電力・鉄道関係が多いです。また,プラズマやその周辺技術に魅力を感じた学生さんは,プラズマ利用に直接的な関係の深い,半導体製造装置メーカーへの就職を希望する人も多いです。半導体製造装置は,日本企業が高い競争力を持つ分野です。
本グループでは,オリジナルのプラズマ装置を立ち上げ,材料合成からその分析・応用までを取り扱います。自分で立ち上げた装置を使って新しい材料を合成し,その特性を明らかにする,そのような一連の体験の中で遭遇するトラブルや新発見を一緒に楽しみましょう。最後に,プラズマプロセス研究の一例を紹介します。メタン(CH4)プラズマを使うことでダイヤモンドを合成することができるのですが,ダイヤモンドは炭素で構成されるので,メタンに含まれる水素は不要だと思いませんか。しかし,実際に結晶性の高いダイヤモンドを合成するためには,メタンプラズマへさらに水素を添加し,ほぼ水素雰囲気の中,わずかに炭素が存在するような環境を作り出す必要があります。このように,プラズマプロセスには,常識とはかけ離れたところにスイートスポットがあるといった例が多くあります。常識にとらわれない発想は,私よりみなさんのほうが得意かもしれません。多くのみなさんにプラズマの魅力が伝われば幸いです。